1985年7月、東京・立川にある昭和記念公園。
米軍用地を再開発して緑地化した、広大な敷地を有するこの公園内の広場において、デビュー2年目のアーチストが、前年から続く全国ツアーのFINALとして野外ライブを敢行した。
「KOJI KIKKAWA JAPAN TOUR FINAL '85」
当時、ぼくは中学三年生。いわゆる音楽のライブに行くのはこれが初めてのイベントでした。
近所の友達を誘い、直前にチケットセゾン(古っ!!!)のカウンターでチケットを入手。
ブロック指定のスタンディングで、下手側・後ろから2番目のブロックでした。
ステージまでの距離感は遠いのに、それをも凌ぐサイズの幅・奥行き・高さ。
3万人規模の観客にインパクトを与えるためのPAスピーカー。
立体感を醸し出すために段差が設けられたステージ。
青森のねぷた祭りなんか比べ物にならないとでも言いたげな程、高さを持たせた照明トラス。
開演時間。突然鳴り響く破裂音、火薬の煙。
遠巻きにフェードインしてくる「Sleep,baby sleep~」の歌声(SE)。
1曲目「サヨナラは八月のララバイ」のイントロと同時に、舞台奥からジャンプして飛び出してくる吉川晃司。
この場所の"鳴り"を意識して選択した、今となってはその時代を感じさせるシンセの音色とドラムのマイキングサウンド。
キメに合わせてポーズを付けて止まり、足を持ち上げ、エレピの上から側転しながら着地する。
アイドルではなく、アーチストなんだと意地を張りながらも自分なりの表現を身に纏い始めた20歳の青年が、文字通り2時間半ブッ通しで広いステージを縦横無尽に駆け巡り、階段からころげ落ち(!!!)、絶叫し、全身で気持ちを発散し尽くしていました。
夏の暑さと初めてのライブによるインパクト、さらにはアンコール前の「パラシュートが落ちた夏」のエンディングで打ち上がったパラシュート花火の勢いで盛り上がった雰囲気により、若干14歳の若造は、思わず鼻の奥に赤いもののニオイを感じるくらいに興奮し、パフォーマンスのセンスと当時の若手アーチストではまだ類を見なかった"横ノリ"16ビートの楽曲(アルバム「INNOCENT SKY」)に打ちのめされ、以来、ぼくのカラダの半分近くがこの人の成分で占められることになりました。(笑)
当時発売されていたビデオは、45分モノに圧縮された内容で7,800円也。
高校生の小遣いでは数か月分貯め込まないと買えなかったソフトで、加えて自宅にはまだビデオデッキもなく、仕方なしに電車とバスを乗り継いで母親の実家(祖父宅)にビデオを持って遊びに行き、ホントに摺り切れそうなくらいまで何回も何回も観たビデオです。
「DVDで再発してほしいけど、元のレコード会社(SMSレコード)は無くなっちゃったしなぁ...。」と思っていたら、先に発売された25th Anniv.のDVDボックスに収録とのアナウンスが。
何より先に手にしておかなければいけなかった、ぼくの原点です。
懐かしい!
当時の事を鮮明に思い出しました。
あのステージに立てた事を誇りに思うし今の自分を作ってくれた原点に感じます。
ありがとうございます。
投稿情報: Saty | 2012/01/06 11:01
智さん:
こちらこそ、コメントありがとうございます!
まさか四半世紀も経ってから繋がるご縁をいただけるとは思ってもみませんでしたので、心の底から感激してます。
投稿情報: Toyo-P | 2012/01/08 20:13