「ガンプラ開発戦記」(猪俣謙次、加藤智 著)
を読みました。
・1970年代当時の模型業界の歴史と背景~今井科学の倒産からバンダイ模型への継承
・キャラクターモデル(特撮やアニメ、マンガなどのキャラクターを模型化したもの)の位置づけとスケールモデル(戦車や軍艦、自動車などの実在するものを模型化したもの)との関係
・「宇宙戦艦ヤマト」のカット(断面が見える)モデルに初めてキャラクターモデルとして実寸と比較したスケール表記が採り入れられ、ガンダムのプラモデルでモビルスーツをシリーズ化するにあたり本格的に採用された
・「ガンプラ」の市場供給が追いつかなかったのは生産調整などによるものではなく、業界内でのキャラクターモデルの取り扱いと、今井科学の技術をある意味そのまま引き継いで模型業界で商売をしていると見られていたおもちゃメーカー(バンダイ)の子会社であるバンダイ模型に対する業界からの風当たりからくる、問屋や小売店の仕入れ不足によるものが、加速していく需要のスピードに追いつけなくなり、結果的にフル回転で生産しても追いつかなかったこと
などが、当時の今井科学で設計を担当し、倒産により一旦模型業界を離れたものの再び引き寄せられるようにバンダイ模型へ入社して設計や広報誌の担当をしていた著者らの実体験に基づく切り口で語られています。
作品の奥深い世界観と相まって、様々な偶然と業界内の常識を変えて行った努力の重なりが、30年も続く息の長い模型キャラクターとなって続いていることが垣間見えます。
ぼくも当時は、夏休みとなれば入荷する日の早朝に近所のおもちゃ屋さんの前で並んだり、学校のある時でもメモ用紙に欲しいモビルスーツの名前を書いて祖母に託し、買ってきてもらったことがある世代なので、なかなか手に入らない、けど買えた時にはとても貴重なものに感じていた「ガンプラ」の、裏話のような知られざる「大人の事情」を知ることの出来た面白い一冊です。
これを読んだら久しぶりにプラモデルを作ってみたくなったのですが、今始めたら昔以上に凝りそうで、おまけに凝りだすと時間がいくらあっても足りなくなりそうなのでまたそのうち近いうちに。。
あ、でもなぜかプラカラーはだいぶ前から既に数色あるんだったなぁ。(笑)
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