吉川さんの本、「愚-日本一心」。
書家の紫舟さんが、「吉川さんを漢字一文字で表すとするなら?」の問いに答えた文字が「愚」。
自身に出来ることを「愚直」に推し進める。
Steve Jobsの言った「Stay hungry,Stay foolish」にも通じる、ブレない芯の強さ。
この本では、東日本大震災の復興支援に対する考えと、そこに繋がるこれまでの半生で節目に起きた様々な出来事について、長谷川誠さんの解説を交えて自身の口から語られています。
そこには、芸能人としての吉川晃司ではなく、渡辺プロを独立した数年後に予期せぬ形で新たな会社を立ち上げることとなり、社長として経営のこともやらなければならなくなった一人の青年としての戸惑いや孤独が伺えます。
亡くなる前に「アルバムを作りたい、コンサートもしたい」と頼ってこられた川村カオリさんのことや、2008年末の代々木第二体育館で行われた「25th Year 's Eve」で共演したものの翌年に急逝された、元 thee michelle gun elephantのギタリスト・アベフトシさんについても触れられていて、それぞれの背中を押すことにはなったものの、いずれも志半ばで旅立ってしまい、本当にそうしてあげたことが良かったことなのか...!?と葛藤することも。
震災後に、東北地方在住で郵便物が届かなかったファンクラブ会員へ安否の確認とともに会報を届けるため、いくつもの避難所を廻り、ネットで情報を入手し、当初の予定を変更して時間ギリギリまで引き延ばしてやっとのことで所在が判ったところへ向かい、顔を見て同行したスタッフと共に安堵、涙する場面では思わずこちらも読みながら目頭が熱くなりました。
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