ミュージシャンで俳優の奥野敦士(@astushi_okuno)さん。
2008年に不慮の事故により頸椎損傷。その後、懸命なリハビリにより、現在は右手が動かせるようにまでなり、iPadやMacを駆使してTwitter/facebookを通じて「魂の言葉」を投げかけています。
ぼくが活動のお手伝いをしているミュージシャン・松岡英明がその言葉に感銘を受け、
「奥野さん、本、作りましょう☆」
という一言から、趣旨に賛同したフリーの編集者/作家である神原 将さん、映像制作に携わる押切紀夫さん達と共に奥野さんの活動を応援するための「ナンツッテ!プロジェクト」がスタート。
早くから奥野さんを応援されていた、お仲間のミュージシャン/俳優さん達にもご挨拶し、諸々の準備をすすめるために粛々と活動を続けていました。
そして、3月11日の東日本大震災。
メンバーそれぞれの生活環境や仕事の状況にも変化が起き、なかなか直接プロジェクトを進めて行くための機会が作れなくなっていました。
ですが奥野さんは、ひとつひとつの言葉を選び、本を作るための準備をこなされ、このたび晴れて7/20に一冊目の本を出版されました!
これは昨年の春に、奥野さんが当時入所されていた療養施設へみんなで伺い、つぶやく姿を目の当たりにした時のこと。
Twitterのタイムライン上に放たれた文字からは想像もつかない、様々な道具や機材を使って工夫しながらも、壮絶に言葉を紡いで画面に打っているその姿を見て、「少しでも何か役に立ちたい」と心から思いました。
とはいえぼく自身は、他の皆さんのように知名度が高い訳でもなく、ましてや「ツルの一声」で何かを動かせられるような権威ある立場でもないので、何が出来るだろう?と考え、その結果始めたのが、
「毎日(平日)、奥野さんの朝のつぶやきにヒネリを加えてコメントを返そう。」
ということでした。
これは、楽しい会話をしていくこともさることながら、メッセージの返せば言葉のキャッチボールになり、それを続けることで一文字でもいいから多く文字を打ってもらう〜手先のリハビリの機会を増やす...ことになるのでは?と思ったところから始めたものでした。
※ぼくの独断で始めたことなので、実際のところちゃんと役に立っていたのかどうかはわかりません。。。
そんな、羽を抜いて機(はた)を織る...とでも言うがごとく、労して放たれた言葉の数々には、奥野さんがまっさらな気持ちで感じた「言霊(ことだま)」が宿っています。
ですがそれは、決して格言のように世の条理を切々と説いたものではなく、心を優しく撫でてくれるような言葉として、本の中にたくさん散りばめられています。
一日に一言二言でもグッとくるのに、まるごと一冊本になって読むと、言葉の持っている力が倍増して、優しい言葉に包まれるあまり、正直、泣けて来ました。
気持ちが安らぐって、こういうことをいうんだな、きっと。
小難しいことは一切書いてありません。
心がちょっとくたびれた時に、手に取ってみてもらうと自然に温かくなれる本です。
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